和解学の創成

  • 1872年東京 日本橋

  • 1933年東京 日本橋

  • 1946年東京 日本橋

  • 2017年東京 日本橋

  • 1872年8月〜10月北京 前門

  • 現在北京 前門

  • 1949年前後北京 前門

  • 1930年代北京 前門

  • 1895年台北 衡陽路

  • 1930年代台北 衡陽路

  • 1960年代台北 衡陽路

  • 現在台北 衡陽路

  • 1904年ソウル 南大門

  • 2006年ソウル 南大門

  • 1950年ソウル 南大門

  • 1940年代初ソウル 南大門

文喜相韓国議長をお迎えした際の、早稲田大学・須賀晃一副総長、および、吉野孝地域地域間研究機構長の歓迎の挨拶を以下に掲げさせいただきます。

早稲田大学副総長、須賀晃一挨拶

本日は、ご多忙の中、韓国の国会を代表される文議長を早稲田大学にお迎えできますことを大学としても大変光栄に思います。諸事情によってご日程の変更があったにもかかわらず、早稲田での講演の約束を守り、遠路、ご来訪いただきましたこと、まことに感謝に絶えません。

改めて言うまでもなく、現在、日韓関係は、政府間では大変悪い状況にあります。しかし、そういう時であればこそ、市民としての交流を支える場としての大学は、国民間の相互理解を促進する場として一層重要です。

今日このイベントは早稲田大学と韓国の高麗大学が共同で主催します。振り返ってみれば、早稲田大学と韓国の高麗大学は、歴史的な絆で結ばれております。高麗大学の創設者である金性洙(キムサンス)をはじめ、韓国の政界財界で活躍されてきた卒業生は、韓国の発展に大いに寄与されてきた存在であり、本学の誇りでもあります。また、本学をアジアと結びつける重要な存在であり続けてきました。

かつての「東西文明の調和」が単に日本だけによってもたらされる時代は、すでに過去のものとなっておりまs。、発展し民主化した韓国は、ともに東アジアの地域を担う大事な隣国です。卒業生のネットワークが支える知的連携の力が、今こそ試される時代であるといえるでしょう。

同じ東アジアの民主主義国として、これからの日韓が現在の困難を乗り越えていくための新たな知的文化的枠組みが、この文議長の御講演から開かれることを切に願ってやみません。

改めて、困難な時にも約束を守っていただき、本日のご講演にいらしていただいた文議長に、感謝を申し上げながら、挨拶とさせていただきます。


早稲田大学地域・地域間研究機構長、吉野孝  挨拶

文喜相(ムン・ヒサン)大韓民国国会議長,ようこそ早稲田大学へいらしてくださいました。

本日の講演を主催する国際和解学研究所について紹介させていただきます。早稲田大学では,これまでアジア,ヨーロッパ,アメリカ,中東など個別的になされてきた地域研究が,5年前に地域・地域間研究機構に統合されました。というのは,経済社会のグローバリゼーションにともない,地域と地域の距離が縮まっただけでなく,各地域に共通する新しい問題も生じたからです。そして,機構の中でもっとも積極的に活動している研究所の1つが国際和解学研究所であり,現在,地域内の歴史的対立の原因を探り,和解を可能にする方法を模索し,国民を超えた地域の公共性を意識した世論を喚起する活動をしております。

国際和解学研究所は,韓国高麗大学の「平和と民主主義研究所」と日韓,韓日両国民の和解を志向する研究と活動の協力をうたった交流協定(MOU)を結び,2017年12月には,両国民間の関係改善に向けた具体的な措置を含む共同声明を出しました。本日の講演とそれに続くラウンドテーブルは,両研究所の主催であり,文議長講演もこの交流協定を記念する行事として準備されたと聞いています。

政府間の関係が厳しい時にこそ,早稲田大学と高麗大学は,両国の文化と学問を代表する窓口としての役目を果たさなければなりません。韓国の国民の意思を受け止めながら,日本国民として,あるいは市民としてなさなければならないことを考え、新しい協力関係の可能性を模索する機会とさせていただきたく思っています。

改めて,困難な時にも勇気を持ってお越しいただき,ご講演を賜りますことに対して,文議長に感謝申し上げます。